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会議テーマ:
「ジョブ型雇用は日本の雇用・労使関係と親和的か?」

慶應義塾大学 八代 充史

 一般に、日本的雇用制度の特徴として長期雇用や年功賃金が挙げられるが、それを可能にするのが勤務地、職務、労働時間が限定されていない「無限定正社員」(鶴光太郎『人材覚醒経済』日本経済新聞出版社、2016年)の存在である。
 しかしこの20年間、長期雇用や年功賃金が少なくとも統計上は維持されているが、他方では「無限定性」を限定する試みが行われたことも事実である。こうした試みとしては、1990年代終わりから2000年代初めの「職種別採用」、2010年代の(勤務地)限定正社員、そして近年のジョブ型雇用が挙げられる。ジョブ型雇用の議論の嚆矢は、濱口桂一郎『新しい労働社会―雇用システムの再構築へ』(岩波新書、2009年)であるが、正規と非正規との同一労働同一賃金等働き方改革との絡みで近年注目を集めている。こうしたジョブ型雇用に関しては、差し当たり、以下の論点が提示できる。
 まず第1に、ジョブ型雇用の日本的雇用制度への受容可能性である。例えば、ジョブ型は同一労働同一賃金に留まらず、新規学卒採用や定期昇給、更に高年齢者が若年層の椅子を占拠するという形で高年齢者雇用のあり方にも影響を与えるのだろうか。或いはジョブ型が日本的雇用制度に受容されるのではなく、無限定性を基調とするメンバーシップ型の日本的雇用制度そのものが、ジョブ型によって変化を余儀なくされるのか。とすれば、その理由は、如何なる点にあるのか。「ジョブ型は評価基準を明確にする」、「ジョブ型は従業員の専門性を向上させる」という言説は、どの程度「科学的」足りえるのだろうか。
 第2点として、外資系企業では当たり前の様にジョブ型が機能していると考えられるが、こうした「当たり前ジョブ型」は「メンバーシップ型」とは如何なる点が異なるのだろうか。
 さらに第3点であるが、「無限定性」から「限定性」を促すだろうジョブ型は整理解雇を制約する判例法理や配置転換における使用者の裁量を基調とする日本的雇用・労使関係とはどの程度親和的だろうか。また採用等の局面での労働条件や契約内容の明示についてはどう考えるべきか。さらに、これらについての法の役割はどのようなものか。
 今回の統一論題では、こうした点を踏まえて「ジョブ型雇用は日本の雇用・労使関係に根付くか否か」という点をパネラー間の意見交換によって理解を深めたいと思う。

2021年 労働政策研究会議開催要領

1. 開催日
  2021年9月26日(日) ※日曜日の開催です

2. 会場
  新型コロナウィルス感染拡大に伴い、今年度はオンライン開催と致しますが、可能であれば法政大学市ヶ谷キャンパス新一口坂校舎でパブリックビューイングを行います。
※8/31:情勢を鑑みパブリックビューイングは中止とします

3. 後援
  (独)労働政策研究・研修機構(予定)

4. 参加者
  日本労使関係研究協会(JIRRA)会員および本会議準備委員会がオブザーバー参加を認めた者。ただし、オブザーバーは議論には参加できない。

5. 日程表
  下記に掲載

6. 会議の準備および運営
  会議の準備及び2021労働政策研究会議準備委員会が会議の準備および運営に当たる。

7. 会議事務局
  日本労使関係研究協会内に会議事務局を置く。
〒100-0003 東京都千代田区一ツ橋1-1-1 パレスサイドビル9F㈱毎日学術フォーラム内
日本労使関係研究協会事務局
Tel:03-6267-4550 Fax:03-6267-4555 E-Mail:jirra@mynavi.jp

8. 参加費
  オンライン参加に伴い、今年度は無料と致します。

9. 配布物
  統一論題、自由論題の報告論文は、学会ホームページ上に掲載する予定です。

10. 参加申込方法
 

以下のURLから、参加申込をお願いいたします。

https://survey.mynavi.jp/cre/?enq=2zSr0N%2fhfTo%3d

2021年労働政策研究会議の運営要領

1. 研究会議の構成と運営
 
(1) 研究会議は、研究会議テーマによるパネルディスカッションと公募方式による自由論題セッションによって構成される。
(2) パネルディスカッションのパネリストは、準備委員会が指名した者で、事前に報告論文または報告概要を制作し、準備委員会に提出する。
(3) パネルディスカッションの司会は、フロアからの質問・意見を含めて、セッション運営に当たる。自由論題分科会に座長を置く。

2. 研究会議参加者および参加登録
 
(1) 参加者は、日本労使関係研究協会の会員に限る。ただし、準備委員会が依頼した報告者で日本労使関係研究協会の会員ではなく、入会を望まない者を除く。
(2) 所定の登録を済ませた者をもって参加者とする。
(3) 労使関係の研究者等で主催者が適当と認めた者は、所定の手続きを経て、会議にオブザーバー参加できる。ただし、発言の機会を持たない。
(4) 研究会議案内は日本労使関係研究協会の会員等に郵送することとし、開催日の前々日(土日祝日を除く)まで参加登録を受け付ける。ただし、参加申込が定員になり次第、登録を締め切る。

3. 報告論文
 
(1) パネリストの報告論文と自由論題論文の字数は8,000~12,000字程度とする。A4判横書きで、パソコンまたはワープロで報告論文を作成する。
(2) 報告論文の書式は次の通りとする。
本文:ワード
図表:エクセル、またはパワーポイント。文章はテキスト形式、図表はGIF形式。
(3) 論文締切日は、パネリスト論文、自由論題論文ともに9月10日(金)とする。

4. パネルディスカッションのパネリストと自由論題報告者の報告時間
 
(1) パネルディスカッションのパネリストの報告時間は、各30分とする。
(2) 自由論題セッションの各報告者の報告時間は20分、質疑時間は10分とする。

日程表

開催日: 2021年9月26日(日)
会場: 今年度はオンラインで開催しますが、状況が許せば法政大学市ヶ谷キャンパス新一口坂校舎でパブリック・ビューイングを実施致します。
10:00 開会
10:15

11:45
自由論題セッション
座長/報告者
11:45 休憩
12:30

13:25
2021年度JIRRA通常総会
13:25

17:00
パネルディスカッション
「ジョブ型雇用は日本の雇用・労使関係と親和的か?」
司会 八代 充史 慶應義塾大学商学部教授
パネリスト 佐藤 博樹 中央大学大学院戦略経営研究科教授
  馬場 俊太郎 日本NCR㈱人事総務本部 HRマネジャー
  松尾 剛志 富士通労働組合中央副執行委員長
  竹内(奥野)寿 早稲田大学法学学術院教授
※当初富士通労働組合中央執行委員長板倉和寿氏がご登壇の予定でしたが、
 ご都合により、同組合中央副執行委員長松尾剛志氏に変更となりました。
17:00 閉会

自由論題報告者公募のご案内

 研究会議では、自由論題セッションを設け、同セッションの報告者を別紙「自由論題セッション報告者の公募について」により公募することといたしました。労働分野の若手研究者を含むさまざまな会員に、日ごろの研究成果を報告する機会を提供し、研究者育成と労働問題研究の水準向上を図ることを目的としています。報告を希望される方は締切日までに報告テーマと報告概要を記したエントリーシートを提出し、研究会議準備委員会の審査をパスすることが必要となります。この点をご了解ください。
 なお、非会員であっても自由論題報告者に応募することができますが、報告時までに会員となることが必要です。

1. 趣旨 
  労働分野の若手研究者を含む会員に日頃の研究の成果を報告する機会を提供し、研究者育成と労働問題研究水準の向上をはかる。

2. 報告日時
  2021年9月26日(日) 10:15~11:45
各報告者につき報告時間20分・質疑時間10分(予定)

3. 応募資格
  原則として大学院修士課程修了またはこれに準ずると認められる者および社会保険労務士等の専門家、労働関係機関の役職員等の実務家。
日本労使関係研究協会会員でない者は、報告時までに会員となることが必要。

4. 報告テーマ
  自由。ただし労働問題に関するテーマとする。

5. 分科会
  自由論題のセッションは3分科会を予定する。各分科会の報告者は、3名ないし4名とする。各分科会に座長を置き、座長が分科会の司会・運営にあたる。

6. 応募方法
  報告論文のテーマと報告概要を記したエントリーシートを2021年7月30日(金)までに事務局に必着するよう提出する。報告概要は、1,600字前後で横書きとする。
7. 報告者の決定
  提出されたエントリーシートを準備委員会(八代充史委員長)において審査し、結果を2021年8月6日(金)までに応募者に通知する。

8. 報告論文またはレジュメの提出
  2021年9月10日(金)までに報告論文を事務局に提出する。当日オンラインで報告をする際の資料は、御自身で共有して頂きますが、念の為事務局までお送り下さい。

2021年度労働政策研究会議準備委員会(50音順・敬称略)

京都産業大学経営学部教授 篠原 健一
東海学園大学経営学部准教授 南雲 智映
慶應義塾大学商学部教授 八代 充史(準備委員長)
東京大学大学院法学政治学研究科教授 山川隆一
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